※イメージ
※イメージ
この記事の写真をすべて見る

 胃ろうをつけても「食べる力」は取り戻せる。近年、リハビリに取り組む人たちが注目するのが進化した「介護食」だ。

 介護食は病院や介護施設向けに作られていた。市販用が作られ、販路が拡大したのは、介護保険制度が始まり介護食品のニーズが高まった2000年ごろから。

 総務省統計局によると、65歳以上の高齢者人口は、年々増加し、14年に過去最高の3300万人に達した。4人に1人が高齢者という状態が、20年後の35年には3人に1人になると予想されている。調査会社の富士経済が発表した12年の介護食市場は1020億円。20年には1286億円にもなると見込む。

 98年にいち早く市販用の介護食市場に参入したキユーピーは、「やさしい献立」シリーズを販売している。主食からおかず、デザートまで67種類と幅広い品ぞろえだ。

 明治は「明治やわらか食」シリーズ30種類のほか、125ミリリットル1本で200キロカロリーの栄養をとることができるドリンク「明治メイバランスMiniカップ」を昨年9月に発売。

 和光堂は「食事は楽し」シリーズを44種類展開。

「栄養をとるだけでなく、味や見た目にもこだわって商品を開発してきました。『白身魚だんごのかに玉あんかけ』『京風がんもの含め煮』など、ごはんと一緒に食べる和食系が人気です」(マーケティング部課長の勝岡伸行さん)

次のページ