東京スカイツリーと富士山 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 阪神・淡路大震災から20年の歳月が過ぎ去り、日本列島各地には、新たな災害の危機が迫っている。国の中枢を破壊する首都直下地震、人口密集地を津波と火災が同時に襲う南海トラフ地震に加え、富士山にも不気味な予兆がある。

 2万人以上の死者を出した1707年の宝永大噴火以来の異変を指摘する声が高まっているのだ。地震学者で、琉球大学の木村政昭名誉教授が語る。

「富士山では東日本大震災の後、マグマが上昇し、斜面や山麓に亀裂が入り、地熱が上昇するなどの異変が見られる。いつ噴火してもおかしくない状況で、19年までには噴火の兆候がはっきり表れてくると考えています。太平洋プレートが日本列島へ潜り込んでいくプレッシャーは、東北地方では東日本大震災で解消されたが、今はその北と南にかかっている。富士山だけでなく、御嶽山の噴火や昨年11月の長野県北部地震などの異変もそのためです」

 木村教授の予測では、次に富士山が噴火する場合、火口は北側の斜面。溶岩が富士五湖や自衛隊演習林の方向に流れ出し、登山客がのみ込まれる恐れがあるという。富士山から100キロほど離れた首都・東京も無傷ではすまない。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏がこう指摘する。

「噴火2時間後には東京でも降灰が始まる。火力発電所が灰を吸い込んで大規模な停電が起き、新幹線や高速道路など交通もストップします。火山灰にはガラス質が多く含まれるため、肺に吸い込めば病気の原因となり、目に入れば最悪、失明の危機もある」

(本誌・福田雄一、小泉耕平、山岡三恵、上田耕司)

週刊朝日  2015年1月23日号より抜粋