2014年11月の中国杯で練習中に他の選手と衝突してケガを負うが、12月のGPファイナルで優勝。日本男子初の2連覇を達成したフィギュアスケートの羽生結弦選手にファッションデザイナーのドン小西氏は、コスチューム改革を期待する。
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今メンズのファッション界でもてはやされているのは、かわいくてキュートな男子。ゴツいイメージのスーツが売れなくて、業界じゃみんな困ってるんだよ。そんな中この人は、時代の求める男子のど真ん中。繊細で、大人になりきってない魅力もあるし、もちろんかわいいし、キュートだし。そんな少女マンガから飛び出したような子が、リアルで金メダルを取ったり、事故から立ち直ったりするわけだろ。そりゃあ、ハートをつかまれるわな。
たださ、この人だけじゃなく、フィギュアの衣装って一様にあか抜けないよね。男子はたいてい黒のパンツに上だけゴージャス。スポーツのにおいがしないんだよ。袖や裾を長くして、演技をダイナミックに見せたいのはわかるけど、ソーシャルダンスじゃないんだから、ここまで昭和の香りは要らないって。
ま、そんなよくあるパターンを打ち破って許されるのは、今はこの人だけ。長ズボンしか認められないとかいろいろ制約はあるだろうけど、ここはたとえばあどけなさを強調して、ピーターパン風で攻めてみるとかさ。20歳の若さを武器に、コスチューム改革、待ってます。
※週刊朝日 2015年1月16日号