週刊朝日で好評連載中の「美意識ある生活」。生活品評論家の東海左由留(とうかい・さゆる)さんが厳選したひと品を紹介している。東海さんは日本とヨーロッパで「生活をより豊かに」をテーマに様々なアイテムやサービス、ライフスタイルを取材。自腹で購入し、時間をかけて使用感を検証している。
今回は、minotakeのさじベラを紹介する。
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■瓶の中身、きれいにすくって使い切りたい
ジャムにバターに粒マスタード……。わが家の朝食には瓶が並ぶ。瓶の中身が少なくなると、ナイフでは内側にくっついた残りをきれいにすくえず、カチャカチャと音をたてて格闘。スプーンだとパンに塗ったとき、くぼみにスプレッドがわずかに残る。たいした問題ではないが、毎日の生活でイラッとする問題はできるだけ解消したい。
この食卓問題を解決したのが、公長齋小菅のminotakeのヘラ。竹は円筒状で湾曲している。この自然の湾曲を利用し、気持ちよく中身がすくえて、塗りやすいヘラができあがった。
手に持つと、さらに小さな驚きが。竹の湾曲が絶妙なねじれをつくり、扱いやすさ抜群。ヘラの内側には竹独特の筋を残してあるから、感触が心地良く、すくった中身の収まりがいい。
公長齋小菅の創業は1898年。歴史ある竹工芸店は竹を知り尽くしているから、今のライフスタイルの「身の丈」に合った道具をつくり出した。
<今日の逸品>
minotake さじベラ S(ナチュラル ほかに黒、茶もあり)1200円
minotake 小ベラ 三角(手前から、ナチュラル、黒、茶)1400円(すべて税別)
問い合わせ先:公長齋小菅 京都本店
※週刊朝日 2014年9月26日号