首都圏と中京圏が40分台で結ばれるのはもうひとつ意義がある。それはこの二つの都市圏が実質的に合体することだ。これは世界的に見ても初めてのことであり、その社会的実験にはチャレンジしてみる価値はあるだろう。もしかしたら1+1が2になる以上の価値が生まれるかもしれない。
個人的にはそれ以上に地面を500キロ以上のスピードで走る近未来の交通手段を見たいという思いもある。それに水を差そうとしている人たちは新しい技術には何でも反対してしまうような人たちなのだろう。
一説によればイノベーションを必要とする人、積極的に関わろうとする人は全体の2割程度らしい。それ以外は現状維持を望むのだそうだ。しかし社会は継続的なイノベーションによって成り立っている。現状維持ほど難しいものはなく、誰かが新しいチャレンジをしているからこそ成り立っている。それを8割の人が筋違いに邪魔をする事態は避けなければならない。
これまでは公的セクターがこのような巨大インフラのイノベーションを担う必要があったが、民間の資金調達インフラが整うことによって、公的セクターである必要はなくなって、このような水を差す人たちは筋違いの指摘をするようになってしまった。なぜこんなことに気づけないのだろう。無駄な邪魔をするようなことだけはやめてもらいたいと切に願う。
※週刊朝日 2014年10月17日号