
神戸市長田区で小学1年生の女児(6)が遺体で見つかった事件で死体遺棄容疑で逮捕された無職の君野康弘容疑者(47)。現在(10月4日)も黙秘を続けているが、ついに王手となりそうな“物証”が出た。
君野容疑者の自宅の浴槽下から凶器とみられる包丁が発見され、浴室からは女児の血痕も検出されたのだ。
さらに兵庫県警は共犯者の有無も視野に捜査をしているという。君野容疑者の20年来の友人(59)は証言。
「警察に呼ばれたのは3度やね。合計で15時間くらい調べを受けた。兵庫県警は何回も俺に『お前はかかわってないのか』と聞いてきた。どうやら共犯者を捜しているようです」
女児が行方不明になった8日後に君野容疑者は神戸市内のこの友人宅を突然訪ねてきたという。
「部屋で一緒にテレビを見ていて、女児のニュースをやっていると急に君野が立ち上がり、チャンネルを変えるんですわ。そして『オレ死ななアカン。もうこれで会うのは最後や』とか言いだした」
君野容疑者は友人宅に2日間、宿泊し、9月21日には友人と一緒に近くの教会に行ったという。
「牧師さんにアオキという偽名を名乗った君野は『罪を犯したら裁きを受けるのか』と聞いていた。手は震え、すごく汗をかいていた。そんな様子を見たのははじめてやった」
そして同県警が注目しているのが、君野容疑者の「過去」だという。
「今から6~7年前、君野から『暴力団の●●組に入ったんや』と聞いたことがある。君野が知人とトラブルでもめたとき、『うちの組事務所に来い。ボコボコにしてやる』とすごい迫力で、怒鳴っていた。ホンマにやくざになったんやと思った」(前出の友人)
君野容疑者がかつて所属していたという暴力団の関係者に本誌が取材すると、
「事件後、報道で顔写真を見てうちにおったヤツとわかってビックリした。しかし、シノギもできん、組の決まりも守れんで約1年でクビにした」
頑なに黙秘を続ける君野容疑者だが、逮捕前には奇妙な行動を取っていた。
「9月15日か16日に洗濯機をもらってくれと勝手に置いていこうとしていた。よくよく考えると遺体処理に使ったのかもしれない。ぞっとしましたわ。警察にもすでに話しています」(同じアパートの住人)
10月2日、遺棄現場近くではマンホールのふたをあけて捜索する同県警の捜査員の姿があった。
「誰かが君野に知恵を授けた可能性もある。いくら黙秘しても外堀は確実に埋められている。特に暴力団との関係には要注目です」(捜査関係者)
※週刊朝日 2014年10月17日号