「錦織選手のテニスのクオリティーは、これ以上ないほど高まっている。準決勝まで4時間を超える試合を戦い抜くなど、体力面も充実。大きな自信になったでしょうし、今後に期待したい。何より、これほど日本中を沸かせ、夢を与えてくれたことに感謝したい」
確かに、テニスを巡ってかつて、これほど国内が沸いたことはない。日本テニス協会によると、テニス人口は2012年は373万人でその10年前の423万人から減少している。全国のテニスコート数は1996年から08年の13年間で、3分の2にしぼんだ。
野球やサッカーと比べて競技人口が少なく、テレビもあまり放映しない。4大大会もウィンブルドンと全豪オープンをNHKが中継する以外は各局そろって撤退している。今はWOWOWが独占中継しているのみだったが今回、錦織選手が勝ちあがるたびに新規の加入希望者が殺到。テニス人気に一気に火がついたようにも思われる。中継を仕切った現地プロデューサーの平林武志さんは、早くから錦織選手の可能性を感じていたといい、
「今回、海外のファンやメディアからも高い評価を受けていました。その才能をたくさんの方に知っていただいたのは非常にうれしいです」
※週刊朝日 2014年9月26日号より抜粋