左手親指の慢性亜脱臼を抱えているプロゴルファー丸山茂樹氏。年内に手術する予定だったが、断念したという。その理由とは……。
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9月に入ったら、すっかり秋めいてきましたね。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
僕はこのところ、ゴルフ関係以外のテレビ番組に出させてもらう機会が多くて、とてもいい刺激を受けています。
トーク番組の仕切りを任されている方って、世の中のことをほんとによく知ってますよね。最近は加藤浩次さん(45)、「雨上がり決死隊」の宮迫博之君(44)、「フットボールアワー」の後藤輝基君(40)といったみなさんとご一緒したんですけど、いろんなことを知ってて、トークの中に盛り込んでくる。
加藤さんは朝の情報番組もやってるからかもしれないんですけど、3人とも勉強してますよね、すごく。僕も相当いろんな方とお話をさせてもらうチャンスがあるので、世の中の情報は入ってきますけど、この3人はすごく細かいところまでわかってる。ほんと驚かされました。
あと、彼らのトーク術のすごさですよね。アナウンサーの人みたいに話すのが上手(じょうず)というわけじゃないんですけど、しゃべりの持っていき方と言うんでしょうか、番組を回していく力があると思うんです。僕もゴルフ界の「しゃべくり代表」として、もっと勉強しなきゃいけませんね。
ゴルフに関係のない番組に出るときには、「ゴルフ界で頑張ったら、こういうところにも呼んでもらえるようになるんだよ」というアピールになれば、と思いながらやってます。野球やサッカーのメジャーどころだけじゃないよ、と。若い世代に対しては野球やサッカーほど認知度は高くないかもしれないけど、ゴルフ界にもこういう人はいるんだと知ってほしい。
また、そういった番組でゴルフ界のことを伝えていくのも使命だと思ってます。活躍できれば夢がある、と。あんまりお金の話をするのは好きじゃないんですけど、夢を与えるために多少は獲得賞金をはじめ、お金の話もするようにしてます。ネット上では必ず「自慢かよ」ってことになるんですけど、まあそれは一部の人の意見だと思うようにして、話してます。夢のある競技だと伝えるのって、本当に大事だと思ってますから。
他競技の選手の方とも番組をご一緒することがあります。これがまた楽しいんですよね。それぞれの競技に独特の発想や心の持ち方がありますから。それを僕自身が学んで、ジュニアのゴルファーたちに「柔道で金メダルを取った選手はこんなこと言ってたよ」なんて、伝えてあげる。こういうのが一番刺激になるんです。
最後に僕の体の状態に触れておきましょう。ずっと悩まされてきた左手親指の慢性亜脱臼ですが、実は今月上旬に手術するはずだったんです。
それが最近になって、主治医の先生から「ちょっと待った」がかかっちゃいまして。「私生活に不自由のない状態にしようとすると、ゴルフに少し支障が出そう」だと。一方で「ゴルフを中心に考えると、私生活に支障が出る」とも。もうちょっと様子を見させてほしいとのことでしたので、保留になってます。
結局、今年中の手術は見送ることになりそうなんです。いやあ、何とも複雑な心境ですね。
※ 週刊朝日 2014年9月19日号