本誌連載の「おすすめアプリ生活」。今週、ライターの小幡恵が推薦するのは、熱中症の危険度を教えてくれる「あなたの街の熱中症予防」だ。
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気象庁が「冷夏予報」をあっさりくつがえし「やっぱり今年も暑そうです」と言いだしたときはマジでうんざりした。「長期予報なんて、どうせ当たらないほうが多いのだから、なまじ期待させるようなこと言うな」と気象庁に八つ当たりしていたら、怒る気力もなくなる猛暑が、きっちり到来してしまった。
もはや熱中症対策は日本の常識。学生時代の運動部の夏合宿、炎天下のグラウンドで水も飲ませてもらえずウサギ跳びをさせられ、それでも生き延びた私ではあるが、天気予報を見れば気温だか体温だかわからないような温度がずらりと並ぶ昨今、さすがの私もうっかりすると死ぬかもしれないので、スマホに熱中症対策アプリをインストールしてみた。
これはNTTドコモが提供するもの。アザラシのような、お化けのような、ふくらんだお餅のようなボーッとしたゆるキャラは「ぴーこん」という名の「熱中症予防声かけ大使」。
それで、肝心の機能だが、まず現在地および登録した地域の気温、湿度、熱中症危険度がすぐわかる。アプリを起動していなくても、熱中症危険度が上がると画面表示と音で知らせてくれる。ゲリラ豪雨にも対応した「雨降りアラート」も装備。アプリからメールなどで知り合いに「熱中症予防」を呼びかけたりすると、ポイントがたまって、ぴーこんの仲間が増えるというゲーム要素もついている。
ゆるキャラといえば、日本気象協会も熱中症ゼロをめざし、各地のゆるキャラに声をかけて「熱中症予防PR大使」を任命していて、兵庫県尼崎市の「ちっちゃいおっさん」も大使である。暑さ日本一を競う埼玉県熊谷市の「ニャオざね」、群馬県館林市の「ぽんちゃん」も参加している。
熱中症予防にも大活躍だが、着ぐるみをかぶったゆるキャラの熱中症が本気で心配です。
※週刊朝日 2014年8月15日号