今年は両陛下がともに傘寿の節目となる。振り返れば、おふたりのご成婚前後、女性週刊誌が次々に創刊。各誌の皇室カメラマンはミッチーの姿を記録に残そうと火花を散らした。瓜生浩氏(80)・元学研カメラマン、河崎文雄氏(70)・光文社「女性自身」カメラマン、高野俊一氏(69)・元サンテレフォト写真部長、島田啓一氏(65)・元新潮社写真部長、鈴木鍵一氏(60)・光文社「女性自身」カメラマン、現役雑誌カメラマン(52)が集まり、とっておきの秘話を明かした。司会は岩井克己氏(67)・元朝日新聞編集委員。
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岩井:現場で特に感じることはありますか。
鈴木:長期療養中の雅子さまは、公務もご欠席が基本です。我々は、いつ撮れるのだろうと考える。それで、取材要項に「撮影時はストロボ使用不可」とあるときは、雅子さまが来るかもしれない、と期待します。
現役雑誌カメラマン:ストロボ禁止のルールは現場が混乱します。天皇ご一家の夕食会が皇居の御所であるときは、皇太子ご夫妻と秋篠宮ご夫妻が続けて半蔵門を通過することがある。片方はストロボNGで、他方はOKです。大慌てで部品を付け替えるか、両方ともストロボなしで、写りの良くない写真を撮らざるを得ません。
鈴木:僕らは、公的な場でもいいから、雅子さまをきちんと撮りたいですね。
瓜生:乱暴な言い方かもしれませんが、撮影させるのも皇室の方々の仕事だと感じる。昔は、カメラの前で、いい表情をしてくださったんです。
岩井:雅子さまは、本当におかしいと豪快に口を開けて笑ったものです。ところが写真として残っているのは、河崎さんが撮った一枚くらいでしょう。
島田:そういった光景は、東宮職も撮らせませんね。