佐藤義則(さとう・よしのり)1954年生まれ。76年ドラフト1位で阪急に入団。最多勝利(85年)、最優秀防御率(86年)などを獲得。現在は東北楽天ゴールデンイーグルスの1軍投手コーチ(撮影/写真部・工藤隆太郎)
佐藤義則(さとう・よしのり)
1954年生まれ。76年ドラフト1位で阪急に入団。最多勝利(85年)、最優秀防御率(86年)などを獲得。現在は東北楽天ゴールデンイーグルスの1軍投手コーチ(撮影/写真部・工藤隆太郎)
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「名監督の影に名コーチあり」。昨季、日本一に輝いた東北楽天ゴールデンイーグルスには、球界を代表する、投手コーチ・佐藤義則(59)がいる。ダルビッシュ有、田中将大ら大投手を送り出した辣腕に、エース候補の一人、ドラフト1位の松井裕樹の可能性について聞いた。

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 コーチとして私はいつも、「アドバイスはする。ただし、『言われたからやっている』では困る」と言っています。アドバイスを実践して選手に違和感があれば、違う方法を考える。それがコーチの役目。プロ野球選手は、自分の頭で考えないといけません。

 その点でいえば、ダルビッシュも田中も、わからないことはよく質問してくれました。日本ハム時代のダルビッシュなんて、楽天戦に先発すると翌日には敵チームの私に、「昨日のフォームはどうでしたか」と聞きに来てましたから(笑)。まあ、こちらも試合後だし、年に何度も対戦するわけではないから、悪い部分は指摘してあげました。向上心が強いヤツです。

 先日、楽天の星野仙一監督が若手選手と一緒に食事に行ったとき、最も質問していたのが松井だったそうです。そういう意味でも、ダルビッシュや田中のような一流投手に通じるところがあるのかもしれませんね。

 投手に100点満点はありません。何かの課題をクリアしたら、次の課題に挑戦する。引退するまでそれが続くということです。

週刊朝日  2014年4月4日号