本誌で連載『マルちゃんのぎりぎりフェアウエー』を執筆しているプロゴルファーの丸山茂樹氏。今回は一般ゴルファーをとりまく日米の環境の違いについて語った。
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2008年に英国の調査機関が発表したデータによると、世界のゴルフ人口は約6400万人。第1位は米国で2860万人、日本は2位で950万人で、3位がカナダの640万人、4位が英国の400万人でした。
ゴルフ場の数についても、米国が断トツ。約1万6千カ所で、日本の約7倍と言われています。
数が多いだけでなく、米国では、会員制ではなく一般の人がプレーできる「パブリックコース」がたくさんあって、格安でラウンドできるし、練習場も存分に利用できる。気楽に練習できる環境が整ってますよね。現在、僕が滞在しているロサンゼルスの自宅からも、車で20分ぐらい走ったところに、たくさんのゴルフ場があります。
そういった事情もあって、ジュニア世代の試合数が全然違います。日本ではジュニア限定の試合は年間に数えるほどしか開催されませんが、アメリカでは、探せばほとんど毎週のように、どこかで大会をやってます。
僕の一人息子である奨王(ショーン・13)は生まれも育ちもアメリカで、現在もロスで暮らしていますが、年間30試合ぐらい出てますよ。米国のジュニアを巡る環境のよさは特筆ものでしょうね。いかにアメリカのジュニアが恵まれているか、ですね。
やっぱり試合に慣れるのって大事ですからね。コースに出て、どんな上手な子と同じ組になってもビビらないでやれるようになるには、試合数をこなすことですよ。戦歴があればあるほど、試合で苦しんだことがあればあるほど、それなりの自信もつくもんです。
アメリカでは、子どもにいろんなスポーツを経験させますよね。「来月でサッカーが終わるから、次はバスケット」というふうに、学校で自分でサインしてくるんです。そうやっていろんなスポーツをやることで、自分にあったものが分かってくるし、さまざまな身のこなし方も備わってくる。そうやっていろいろ経験していく中で、僕の息子は自分自身でゴルフを選んだんです。
僕が開催している「丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」も、早いもので今年は第5回になります。日本でも子どもたちの出られる試合が一つでも増えるよう、着実に前進していきたいですね。
※週刊朝日 2014年1月31日号

