年始の風物詩である箱根駅伝。ちょっとした小ネタや観戦術を知れば、よりレースを楽しめるはずだ。箱根駅伝にまつわる豆知識を伝授したい。
箱根駅伝がスタートするのは、往路、復路とも午前8時。普段は学校も始まっていない時間だが、最初の区間を走る選手たちはいったい何時に起きて準備しているのだろうか?
学校によって違いはあるが、ほとんどの大学の場合、午前3時起きが一般的。だいたい、1週間前から体を慣らすために、その時間に起き始めるそうだ。
少し体を動かしてから、真っ暗な午前4時に朝食を食べる。気をつけなければならないのは、レースの後半、午前9時くらいになると気温が上がり、発汗しやすくなってくること。その対策として水分を十分に補給しておくのが大切になる。冷たいものよりは温かいものがよく、麦茶が好まれる。煎茶や紅茶だと利尿作用が働いて、レース中にトイレに駆け込むことになりかねないので……。
また観戦するにあたっては、知っておきたい「3つの道具」がある。箱根駅伝は「テレビ観戦派」と「現場観戦派」に分かれる。テレビであれば全体の流れもわかるし、記録などの情報も入ってくる。しかし根強い人気を持つのが現場観戦。特に東海道沿いの各大学の同窓会にとっては新年会も兼ねたイベントになっている。
観戦時に欠かせないものは携帯ラジオ。ただ待っているよりも、レースの流れをつかんで選手の到来を待つ方が楽しい。
そして通になると、ストップウォッチを持ってくる人も。後続の選手に「先頭から1分30秒差!」などと叫ぶのだ。ここまで来ると、もう気分は参加者。
現場観戦派にオススメしたいのが2006年に出版された「観る 歩く 応援する 箱根駅伝まるごとガイド」(昭文社)。今は手に入りづらくなっているが、観戦ポイントの細かいアドバイスがあり、さすがは地図専門の出版社だと唸(うな)らせる一冊。
※週刊朝日 2014年1月3・10日号