リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫氏は「14年には、女性のリーダー候補を育てようという動きが、さらに本格的に盛り上がることを期待する」と話す。大久保氏が考える、女性管理職拡大への道筋とは?

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 いま日本では女性のリーダー候補を育てようという動きが盛んになっています。14年には、それがさらに本格的な盛り上がりになることを期待しています。

 この動きは2、3年前に始まりました。リーマンショック後、企業は海外に市場を求めて進出しているのに、欧米でもアジアでも、日本ほど管理職に女性が少ない企業はありません。

 13年10月に世界経済フォーラムが発表した各国の男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」でも、日本は105位でした。前年より順位を下げています。

 国内を見ても、車や住宅などの購買決定権は女性が中心で、男性社員だけでは細かいニーズがつかめない。第一線で活躍できる女性が必要とされているのには、そんな理由があります。

 これまでにも日本では2度、「働く女性」が注目を集めた時期がありました。なのになぜ、女性リーダーが少ないのでしょうか。

 1度目の山は1986年に施行された男女雇用機会均等法がきっかけで、女性総合職の採用が普及したときでした。2度目は2000年代に入ってから。少子化対策として、働く女性が出産をためらわないように育児休業制度のニーズが高まったときです。しかし、これらの制度と「女性リーダーを増やす」ことは、質が異なるのです。

 東証1部の上場企業では、入社してから部長になるまでに20~25年かかります。その人は「この年齢でこの役職につけば、次は部長になる」という“出世コース”を歩んでいます。ところが、女性が出産や育児でそのコースから一度外れると、元に戻ることが難しいのです。

 いま必要なのは、女性がリーダーになるために、ちゃんとしたキャリアを積めるようにすることです。入社時からリーダー候補として複数の部署を経験させる。育児休暇をとっても、すぐにフルタイムで復帰できるようにする。そんな支援が必要とされています。

 今回の「3度目の山」で企業が変わり、彼女たちがリーダーとしての素養を身につけることができるようになれば、日本でも女性の管理職が増えていくでしょう。

週刊朝日  2014年1月3・10日号