
「今年、あたらしい魔法をかけました」というキャッチコピーで、ロッテのチョコレートがけ半生ケーキ『チョコパイ』が、2013年の発売30周年に向けて初めて大幅に品質を刷新した。
今年8月から販売されている『チョコパイ』は、従来よりもチョコレート感と、スポンジの水分量をアップ。ケーキに含まれる油脂も改良し「生ケーキに近いしっとり感」と「しっかりした歯ごたえのチョコレート感」を実現させることに成功し、ロッテ開発担当者によると「過去最高のチョコパイができた」としている。
10月15日に都内で開催された「大試食会」では、女子大生、主婦など甘いもの好きの女性から、パティシエ、ソムリエなど食のプロフェッショナルまで、多種多様なジャンルの30人が集まり同商品を試食。ターゲットは「30代~40代主婦とその子ども」を想定しているようだが、参加した主婦の心を狙い通り掴んだようだ。
「とても上品な口あたりで、芳醇なチョコレートの香りが口の中に広がって美味しかった。主婦友だちと、よくお菓子を持ち寄って食べているので、これはぜひ持ち寄りたい」(都内在住のAさん)
「ひと箱に6個入っているので家族で食べるのにもちょうど良く、子どものおおやつとしてだけでなく、大人も満足できる味。チョコが濃厚なので、子どもが2個、3個と食べすぎないように気をつけないと」(都内在住のBさん)
もともとのチョコパイは、アメリカの炭坑街で炭坑夫向けのおやつとして売り出されたグラハム・クラッカーにマシュマロを挟んだ「ムーンパイ」が元祖といわれている。韓国ではチョコパイが映画やドラマに頻繁に登場し、韓国人男性が兵役に服する訓練施設の売店でも販売されている。また、北朝鮮では工場でおやつとして支給される韓国製チョコパイが、持ち帰れば高値で売れるため、人気が沸騰したことで話題にもなった。
海外では“豊かさの象徴”的なお菓子でもあるチョコパイだが、試食会に参加したソムリエのひとりは「チョコにはイタリアのアマローネのような濃い目の赤が合うと思う。バニラ香のついたカリフォルニアのシャルドネも合いそう」とワインとの相性についても言及。「子どもの頃の記憶が蘇える懐かしい味」という思いを持っている大人も多いチョコパイだが、どうやらただのお菓子というよりもちょっと特別なお菓子になってきたようだ。