現在、連続ドラマ最高視聴率を争うNHK連続テレビ小説「あまちゃん」とTBS系列の日曜劇場「半沢直樹」。両作品にハマっている、という漫画家のカトリーヌあやこ氏がその魅力を語った。

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「あまちゃん」は登場人物すべてのキャラが立ち、それを毎朝見る楽しみがある。宮藤官九郎さんはひとつの地域を書くのが得意ですが、今回は北三陸と上野・アメ横。見ているうちに自分もそこの住人になり、まるで「永遠の日常」のように思えてくるんですよね。

 メンズウオッチャーも楽しい。向井理クンや綾野剛クンなど、朝ドラでブレークする男子は多いですが、今回は水口琢磨マネジャー(通称ミズタク)を演じる松田龍平サン!!

 漫画家の間でも人気で、「#あま絵 ミズタク」で検索すると「萌え絵」だらけ。きっかけは、アキが正月に東京から北三陸へ帰省した際、追いかけてきて言った一言。

「なぜ出ない? 電話に君は」

 この倒置法で一瞬にして女子は釘付け! NHKはこれを着ボイスにしないかしら? ほかにも「君のことを考えていた」とか、意外と少女マンガ的だったり。

 体温低そうな風貌で彼なりに頑張る姿に、萌えます。ストーブさんこと小池徹平も今までにない役。イケメンの無駄遣いという感じが、またおもしろいんです。

「半沢直樹」は、時代劇的要素があり、庶民の味方におきゃんな女房がいて、悪代官みたいな上司と越後屋のように悪巧みをする人が手を組んで、とキャラがわかりやすく置かれている。

 おもしろいのは、直樹を陥れようとする支店長がミュージカル俳優の石丸幹二で、直樹と競り合う国税局統括官が歌舞伎役者の片岡愛之助というところ。ミュージカルと歌舞伎に責められる直樹が、最後にどーんとちゃぶ台をひっくり返すような痛快さがあります。

 こんなに二つのドラマにハマってる私ですが、「永遠の日常」ではなく終わりを迎えるんですよね。ああ、10月から何を支えに生きていきましょう……。

週刊朝日  2013年8月16・23日号