YouTubeの発表は、インターネット社会の情報精度について強く意識させる問題だと思います。間違った知識や個人的な見解、無責任な意見、差別的な発言など、見た人に誤解や不安をもたらす可能性があります。

 YouTubeの動画を含むインターネット上の情報精度の不安定さは、個人が発信できる時代の代償です。

 もう一つ、新型コロナウイルスについて述べるべきことがあります。26日に政府が感染リスクを抑えるために多数の人が集まるイベントを中止・延期・規模縮小するように呼びかけました。この影響で、多くのコンサートやスポーツ観戦や就職説明会などが中止となりました。飲み会や団体ツアーも中止となっている現状で、経済にも深刻な影響をもたらしています。飲食店やレジャー施設の中には、コロナウイルスによる影響で倒産する恐れもあります。

 店舗型のビジネスは、物流や人の移動が制限されると売り上げが落ちます。主人の知人は焼肉店を複数経営していましたが、牛海綿状脳症(BSE)が流行した際に破産しました。客足が途絶え、1日140万円の赤字、1ヶ月で4200万円の赤字が発生しました。3カ月は頑張りましたが、客足が戻りませんでした。

 今回の新型コロナウイルスも、事態が長引けば影響も甚大となります。自分の努力の範囲外の事柄で、ビジネスが駄目になってしまうことはあります。それを防ぐために、異なる特性を持つビジネスも掛け合わせてリスクヘッジするべきです。

 YouTuberは安定しない仕事と言われますが、新型コロナウイルスの影響は受けにくいビジネスです。ここに、可能性と重要性があります。

 確かに、広告収益に関してはGoogleのプラットフォームに依存しているので、売り上げが非常に不安定であると言えます。一方で、店舗型ではないため、初期投資もかからず、在庫やテナント代や人件費などの維持コストがかからないという強みもあります。

 例えば、店舗型とインターネット型、両方のビジネスを持っていると、リスクヘッジとなります。YouTubeは十分にその一端を担えるプラットフォームです。飲食店の店舗にお客さんが来ない事態が発生しても、YouTubeの動画によって収益を発生させることは可能です。ライブやイベントができなくても、YouTubeライブができたり、合同説明会ができなくても、会社を紹介する動画を配信したり、セミナーや講演ができなくても、限定動画を公開したり、さまざまな可能性を持っています。この点は、インターネット社会の希望であり、強みとも言える特性です。

 新型コロナウイルスは、インターネットの問題点と有効性、この2つの真逆の特性を浮き彫りにするきっかけになっているといえます。

 一刻も早く事態が収束すること、経済やビジネスへの被害が最小限で済むこと、感染された方々の回復を祈っております。