うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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私の息子は、今年度から小学1年生になります。今はがんばって文字を覚えている最中ですが、平仮名は曲線が多くて難しいため、すべて(単純な線で書ける)カタカナで書こうとしており、なかなかずる賢く育っております。
小学校に関しては、ずっと、「受験せず近所のところへ行かせよう」、と決めていました。受験をすると、どうしても「その学校に合う児童と親」ばかり集まってしまうため、学力や環境が似てきてしまうからです。
それよりもまずは、多様な児童が集まる場所で「世の中にはいろんな人がいる」という社会の縮図を勉強してきてほしいと思っています。
個人的に、子どもは、「勉強うんぬんよりも自分の好きなことをやれる子に育ってほしい」と考えています。それと同時に、逆説的にはなりますが、「何をしたいか決まっていないうちは、好きなことができるように、勉強をさせておきたい」とも思うのです。
■将来の夢が「お笑い芸人」でも勉強は邪魔にならない
たとえば、子どもがある日突然、「宇宙の仕事をしたい」と言いだしたらどうでしょうか。
JAXAは採用者の出身校を公開していませんが、東京大学出身者が多いという話は聞きます。理由は、東大に航空宇宙工学という珍しい学科があり、学生のうちから最先端の宇宙の研究がしやすい環境が整っているためだと推測できます。
ケーキ屋さんや美容師ならそこまで関係ないかもしれませんが、もし医者や研究者になりたくなったら、勉強に力を入れておいた方が、やりたいことを実現できる確率は高まります。
音楽家やお笑い芸人になりたいと思う子も、一概に勉強が邪魔になるとは思いません。北の国からの演出家の倉本聰さん、ドラゴンクエストの音楽を担当しているすぎやまこういちさん、ミュージシャンの小沢健二さんも東大出身です。なんと私の友人は、大学を出た後にサーカスに入団しました。