若い女の子を熱狂させるのは、芸能としてすごく良いことなんだけど、恐ろしいことに誰にでも同じように時代は流れます。今、高校生ぐらいの子が5年後には20代になり、お笑いやアイドルやタレントとして出てきます。と同時に、同世代のファンの子も出てきて、それがまた5年たてば20代後半になり、彼氏ができて結婚を考えたりして、ライフスタイルが変わる時期になる。たった5年で、ですよ。その繰り返しなんです。その5年で儲けるだけ儲けたら、突発的なお金は手に入る。それを操るのが芸能プロダクションであり、それが世の中の仕組みなんです。

 小峠や僕みたいにオッサンしか支持者がいないというのは、一見マイナスのようですが、オッサンから支持をもらえない人が多数。そう考えるとありがたいことなんですよね。

 明石家さんまさんや今田耕司さんは、全世代から支持を得ているバケモノで、ストロングスタイルの王者。だとすると僕らは、一技だけの寝技専門(笑)。「圧倒的に弱いんですけど、寝技に持ち込めれば、もしかしたら勝てるかもしれないんですよねー」という感じ。ただ、寝技は地味だし若者には圧倒的に人気がない。経験者のオジサンたちは「いいねぇ、その関節」って唸るけど、女の子たちには「なにこれ」って言われるわけです。

 僕だってプロになる前、学生時代にテレビで見ていて「つまんねーな」とか「どうしてこの人が?」と思っていた人たちを、業界に入ってみて「すげーな」と尊敬するようになりましたからね。例えば、いかりや長介さんは偉大だった。それは、あの「ザ・ドリフターズ」をまとめて、ひっぱって、番組を撮って。「バカヤロー」という一言だけで、その場を制するツッコミってなかなか難しいし、言葉選びも端的で尺を食わない。大人になるとそういう凄さがわかってくるんですよね。

 僕の放送禁止もどんどん年を取ってからわかる世界であっていってほしいなと思います。オジサンのファンが付いている幸せはそこにあります。その分、努力も必要ですが、ありがたいことですね。

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