ただ、そこには派手さは無いんですよね。持続的な長距離レースなので、瞬間的に銭が稼げるわけでもない(笑)。アイドルでもお笑いでも、若い女の子たちが「キャー!!」と熱狂的に応援している集団とは違います。その子たちは文句の一つでも言われれば「キー!」って怒るし、大人もそれを知って商売にするわけで、気づかないうちにグッズにもお金を注ぎ込みます。ただ、先日、中居(正広)くんが事務所の退所会見で「(4、5年前までライブに何十万人というファンが押しかけていたことを振り返り)あの子たち、どこ行きました?」と冗談で言っていたように、ファン集団が引くという現象も起きるのが常です。

 僕はファンが“推し”から離れていくとき、ポイントがあると思っています。それは「この人、浮気したから嫌い」とか「テレビで印象が悪かったから嫌になった」というありきたりな理由では無いんですよ。本当は、己の人生が変わること。彼氏ができた、結婚が決まった、子どもができた……そういうことで夢中になることのベクトルが変わり始めるんです。人生経験を積んで、愛するものや取り組むものが変わっていく。それが20代です。熱狂している子は20代前半までが相対的に多いから、離れるケースも自然と増えていく。

 僕らカンニングも、テレビで売れ出した当初はキャーキャー言われて、多少はおいしい思いもしてきましたけど、アンジャッシュやアンタッチャブルがいるような同時期のグループの中では、当時からオッサンの立ち位置で(笑)、本流の人たちに比べるとその数は少なかった。だから楽でしたよ。大事なのは置かれた状況を見極めて、どうやってそれを持続させるかなんでしょうね。

 小峠が言うように、オッサンは裏切らないというのは、まさにその通り(笑)。オジサンたちは見た目や雰囲気ではなく、そいつを「人」として好きになるわけです。それはなかなか変わらない。ただ、爆発的な人気にはなりません(笑)。プロが認めるような本格的なものができたとき、オジサンたちは持続的にお金を払ってくれるのだと思います。

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たった5年の“変化”