日本の“お家芸”ともいえる競泳では、埼玉県出身の瀬戸大也が金メダル獲得を期待できる。前回のリオ五輪で男子400メートル個人メドレーの金を含む4つのメダルを手にした萩野公介に代わり、東京では日本男子のエースとして大会に臨む。昨年の世界選手権では200メートルと400メートルの個人メドレーで二冠を達成しており、今年の五輪では金を含め複数のメダル奪取も視野にとらえている。

 競泳では滋賀県出身の大橋悠依も、金メダルが狙えるポジションだ。2018年に東京で行われたパンパシフィック選手権では200メートルと400メートルの個人メドレーを制覇し、昨年の世界選手権では400メートル個人メドレーで銅メダルを獲得。リオ五輪で3種目制覇を達成し、「鉄の女」と呼ばれるハンガリーのカティンカ・ホッスーが強力なライバルとして立ちはだかると予想されるが、地の利を生かして頂点に登りつめて欲しい。

 これまで京都府に金メダリストが誕生していないのは意外だが、今年の五輪では競歩の山西利和が有力な候補だ。昨年に中東カタールのドーハで行われた世界陸上選手権男子20キロメートル競歩では、酷暑多湿の条件をものともせず金メダルを獲得し話題となった。東京五輪の競歩は、マラソンと同じく札幌での開催になったが、札幌の夏も意外と蒸し暑いと指摘されているだけに、過酷な環境で実績のある山西には有利に働くかもしれない。

 同じく男子20キロメートル競歩では岩手県出身の高橋英輝も可能性のある一人。今月15日に行われた日本選手権では3位となり6連覇は逃したが、東京で日本勢が複数のメダルを狙える20キロメートル競歩をけん引してきた選手であるのは間違いない。国内の戦いを勝ち抜き出場権を得ることが出来れば、おのずとチャンスはでてくるだろう。

 金メダリストはおろか、これまでメダル獲得「0」の沖縄県は、空手の形男子の喜友名諒が希望の星だ。東京五輪で新種目となった空手だが、その空手の発祥の地でもある沖縄出身の喜友が初めて同県からの金メダリストとなる可能性は非常に高い。喜友は現在、世界選手権を3連覇中で、昨年2019年に出場した大会は全てで優勝。世界ランキングでも1位を独走中と他の追随を許していない。バドミントンの桃田と並び、日本勢では金メダルに最も近い選手とも評されている。

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