

個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。
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わたくし、ツイッターをやっておりますが、ツイッターは140字という字数制限がありますゆえ、今日のコラムは、ツイッターには書き切れなかったことや、後日談をば。
最近、こんなつぶやきをツイートしました。
<某SAで何人かに「佐藤二朗さんですよね」と声をかけられた。勿論とても有り難い事だ。ただ、全員おじさんだった。4人全員おじさんだった。でも皆さん礼儀正しかった。ただ、全員おじさんだった。不満はない。むしろ嬉しい。いや嬉しくはない。ただ、皆さん礼儀正しかった。ただ、全員おじさんだった。>
よくもまあ、単に4人のおじさんから話しかけられただけのことをダラダラ書いたものだと思いますが、実は、このサービスエリアには、非常に大衆的な、ザ・昭和な食堂がありまして、ちょうど昼飯を食べるために僕は立ち寄ったのですが、その時このサービスエリアには、おじさんしかいませんでした。運送業のおじさん、営業車に乗ったセールスマンのおじさん、俳優業を営むおじさん、あソレ俺か。とにかく、この時、このサービスエリアには! おじさんしかいなかった! おじさんしかいなかったんだよ!
なんということでしょう。「江戸のかたきを長崎で討つ」とはこのことです。違うか。「ツイッターのかたきをAERA dot.で討つ」です。まあ、勝手に自分で好きに書いたことを、勝手に自分で言い訳している感じですが、一応付け加えますと、その2日後、女子大生に話しかけられたよ。女子大生に。「好きです」って。女子大生に。このこともツイッターに書いたよ。だって黙っていられなかったから。女子大生に「好きです」って言われたこと、全人類に発信したかったから。妻を除く全人類にお届けしたかったから。ちなみにその女子大生、「おじさんばかりに話しかけられたツイート、見ましたよ。ふふ」と微笑んで去っていったので、完全に憐れみや同情で話しかけたと思われるよ。涙で前が見えないよ。