医師であり投資家でもあるDr.K。医学部生と研修医時代に貯めた600万円を元手に、2008年のリーマン・ショック時から投資を始め、現在は5億円を運用している。
現在発売中の『医者と医学部がわかる2020』(朝日新聞出版)では、そんなDr.Kがこれから医師を目指すキミたちに向けて贈る「絶対知っておくべき おカネの話」を特集した。その後編をお届けする。
* * *
Dr.Kは、できる限り早い段階で、医師としてどのような働き方をしたいかイメージする必要性を訴える。
「どの診療科を選ぶか、医局に入るか入らないか、勤務医か開業医か。これらの選択肢に対して、自分の理想とする将来像と照らし合わせて答えを決めていくことが重要です。
私の場合、診療科については、当時興味のあった三つから、家族のために使える時間が多い科を選びました。また、私は医局に入ることは最大1億円の生涯毀損リスクがあると考えており、入らない選択をしました。このリスクについては知っておいて損はないので、詳しくは著書をご覧ください。
さらに開業については、成功するかどうかは自分の健康次第という面が大きい。私は低リスクで安定した収入の見込める勤務医を選び、今後も続けていきたいと考えています」
Dr.K自身も借りていたという奨学金については、こう語る。
「私の場合は600万円貯金がたまった時点で、未返済の奨学金が500万円ある状況でした。本来は負債の返済を優先すべきですが、将来的なキャッシュフローが確保されていたので、返済ではなく投資を選びました。繰り上げ返済をしない場合であっても、いくら負債があり、いつまでに返すことになっているのかは把握しておくべきです」
■医業と投資を、いかに両立させるか
若いうちに投資を始める心得は分かったものの、果たして医師の仕事と投資家としての活動は両立できるものなのだろうか。
「私にとって、最も優先順位が高いのは家族の幸せ、次いで家族を養うための収入です。そして、お金のために医師を続けています。こう話すと非人道的な医師だと思われるかもしれませんが、プロフェッショナルとして医師の仕事をまっとうしている自負があります。