同じ06年に「査定担当があくびをした」と会見で悔し涙を流したのが、阪神の関本健太郎。それから3週間後、西武の赤田将吾が交渉中に担当者の携帯電話が鳴ったことに激怒して退席する事件も起きた。

 翌07年には、西武のGG佐藤が希望額と1000万円近い開きに「交渉している気がしない。ぶち切れていいですか」と発言。09年にも、ソフトバンクの森本学が自己最多の95試合に出場したにもかかわらず、200万円しかアップせず、「信じられん。死のうかと思った」とヤケ気味のコメントを残している。

 最後に番外編。大洋時代の83、84年に連続二桁勝利を挙げた金沢次男は1440万円にアップしたが、担当者が間違えて「0」をひとつ多く書いていたため、その場で間違いを指摘して訂正させたという。もし黙ってサインしていたら、史上初(当時)の1億円プレーヤーが誕生していた?(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2019」(野球文明叢書)。

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