昭和の時代は個性的な打撃フォームの選手が数多く存在した。王道中の王道と言うべき王貞治(巨人)の「一本足打法」を筆頭に、古くは「天秤打法」の近藤和彦(大洋)、「マサカリ打法」の木俣達彦(中日)、竹之内雅史(阪神)、「こんにゃく打法」の梨田昌孝(近鉄)、「神主打法」の落合博満(ロッテ、中日、巨人)、極端なクラウチングスタイルのクロマティ(巨人)など、変なフォームと言うしかないような打ち方で、快打を連発する選手が少なくなかった。
【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
近年はかつてほど目を疑うような奇妙な打撃フォームの選手はほとんど見られなくなったが、それでもアマチュアや少年野球の選手にはとても参考にならない、個性的な打ち方の選手は存在する。今回はなるべく平成以降の新しい選手で、変な、というほどではなくても個性的なバッティングフォームの選手でオーダーを組んでみた。
1番・センター イチロー(オリックス)
昭和の“世界に通じる“個性的なフォームが王の一本足打法なら、平成の代表格がイチローの「振り子打法」だ。踏み出す右足を振り子のように動かしてタイミングを取る打法は、オリックス入団直後の監督だった土井正三をはじめとする一軍首脳陣に受け入れられず、仰木彬監督が就任する3年目までブレイクが遅れたと言われるいわく付きのフォームだ。NPBの数多くの記録を更新したこの打法は、メジャー移籍の前後まで続けられた。
2番・セカンド 種田仁(中日、横浜)
平成以降でもっとも衝撃的、かつインパクトの強い打撃フォームと言えば、種田の「ガニマタ打法」ではないだろうか。90年のプロ入り後、約10年間はオーソドックスなフォームだったが、2000年頃からの両足を大きく開いて腰を落とし、さらに投手側の左足を外側に向けてかかとを上げた構えは、正面から見ると滑稽としか言いようがない姿で話題になった。悪癖を修正するために本人が自ら開発した打法だったが、残念ながら真似をする選手はほとんどいなかった。