●魔除けの小豆パワーも加わって
さて、カチカチになったお餅を、水につけてやわらかくしたり、油であげておかきにしたり、鏡開きされたお餅は各地でさまざまな食べ方が工夫されてきた。一番人気はお雑煮だろうが、おしるこやぜんざいにはまた別の意味もある。
小豆(あずき)には古来、魔除けの力があるとされてきた。実際、中国の薬物書には小豆の煮汁が解毒剤として使われたとの記載があるようで、日本でも薬として用いられていた時代もあった。また、赤い色が魔を払う色として使われてきたこともあり、小豆を使用することには特別な意味もあるのだ。こういう理由からも鏡開きのお餅が、おしるこやぜんざいとして食されることが好まれている。
とはいえ、令和2年のカレンダーでは今日から三連休。なかなか正月気分から抜けられそうもないが、ここはしっかり鏡開きをして新たに迎えた年を無病息災、大難を無難に変えられるよう縁起担ぎをしてみてはいかがだろうか。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)