アメリカに長くいたからか、自分のことは自分でやるっていう考え方だから。自宅でも俺の周囲は半径3メートルくらいまでがキレイで、他のエリアは雑然としてる。今は最初に話した記憶の件に視力の衰えも加わって、随分とイライラが減って助かってるよ。埃も見えないし(笑)、年をとっていいこともあるもんだ。最近は鼻毛が伸びるのが早い気がするけれど(笑)。諦めの心境? すっかり女房と娘に感化されて、もう、かわいい犬のポチだよ(笑)。
そうだ、ちょうどこのテーマに合う話があるよ。この前女房と娘に、「俺も来年で70だし、免許返納しようかな」って相談したら、「私たちに何かあったときに運転できなかったら、どうすんの!?」って詰められてさ。もう8割ぐらいは返納する方向に気持ちが傾いていたんだけど、「運転しないことが判断力を下げてしまうことにもなるのかな」って考え直して、まさに思案中なんだ。
いよいよ来年からもみじマークの年齢だしね。義務ではないみたいだけど、あまりかっこいいもんじゃないし、これはネックだな……そうだ! あの葉っぱに「天龍源一郎」ってサインしとこうか(笑)。グッズにしてみんなが付けたら、社会貢献で警察署から表彰されちゃうな(笑)。いいアイデアが思い浮かんだよ。
俺が車の運転が大好きなのが意外だって? 昔はずっと自分で運転してたんだよ。運転も好きだけど、「俺の車はカッコイイな」って、車に対しての愛情もあるからね。几帳面な性格が出ちゃって、ホイールの汚れやボディのシミが許せなくてね。スタンドにはマメに行ってたけれど、ガソリン満タンにして、チェックしてもらうだけで3~4万円くらいはかかってたな。店員に勧められるがまま、タイヤもホイールごと交換してたし。女房には、「維持費がかさんで、たまったもんじゃない」ってこぼされてたよ。
だってさ、太いタイヤって迫力があってカッコイイじゃない。昔ベンツに着けて気分よく走ってたら、白煙がバーって上がって驚いて。よく見たら、フェンダーにタイヤが擦れててさ。後ろのやつらも、「あの車、大丈夫か?」って車間を随分空けて、様子を伺われてる感じ。あのときは滅茶苦茶カッコ悪くて、恥ずかしかったな(笑)。