誰でも自らの衰えを認めるには勇気が必要ですが、「まだ大丈夫」と無理をすることで、対応が遅れてしまうこともあるかもしれません。ロコモは「予防」が最も重要なため、早いうちから自分の運動器の状態を知っておくことが大切です。今回掲載した「ロコチェック」は、手軽に運動器の衰えを確認できる方法で、一つでも当てはまればロコモの心配があります。簡単な動作でチェックできるので、試してみましょう。
ロコモ予防のために最も重要と考えられているのが、「運動」と「栄養」です。運動により筋力を高めることで、関節や骨にかかる負担を減らすことができ、バランス感覚も維持できるので転倒しにくくなります。運動習慣のない人は、「最初は無理のない範囲で少しずつ始めるといい」と江畑医師は言います。
「ウォーキングや水中歩行などの全身運動が有効ですが、手軽にできる運動としては『ロコトレ』もおすすめです。片足立ちやスクワットなど、家庭で簡単にできる運動なので試してみましょう。痛みがある場合は無理せず、整形外科で相談してください」(江畑医師)
運動とあわせて大事なのが栄養です。高齢になると食欲の低下などにより、からだを動かすために必要な栄養が不足しやすくなります。低栄養の状態になると、骨や筋肉の量が減ってしまいます。
「高齢になると運動量が減ることで食欲が落ち、食べる量が減ると体力が低下し、筋力も落ちてさらに動かなくなるという悪循環に陥りやすくなるため、注意が必要です」(同)