なかなか治らない湿疹があり、ステロイド外用剤で治療するもブツブツは出たり入ったり。一回の皮膚生検では確定診断がつかず、何回か皮膚を取り経過を見ていくうちに菌状息肉症だったということも多い悪性腫瘍です。
アトピーはいまだに民間療法だけで治療しようとする患者さんもいらっしゃいます。医師以外に、この皮膚リンパ腫を知っている人がどれくらいいるでしょうか。民間療法が危険な理由の一つは、診断がそもそも間違っている可能性もあるから。菌状息肉症は、慢性の湿疹やアトピーに似ています。注意が必要です。
まとめ
今回は見落とされやすい皮膚の悪性腫瘍を三つ紹介しました。皮膚科医であればどれも知っている疾患ですが、皮膚科医以外ではあまり知られていません。ましてや民間療法では診断そのものを間違う危険性があるため、たかが皮膚病と高をくくらないことが大事です。1カ月以上治りが悪い皮膚病は、珍しい悪性腫瘍の場合もあります。必ず皮膚科専門医を受診するようにしてください。