この列車は平日に限り、浅草~大宮・野田市間および、大宮~運河間に設定されている。浅草始発の特急料金は420円で、せんげん台から先は乗車券のみで利用可。一方、大宮始発の特急料金は320円で、春日部から先は乗車券のみで利用できる。

 柏始発の運転本数、行き先(春日部行きか大宮行きか)は明らかにされていないが、仮に後者だと停車駅は、流山おおたかの森、運河~春日部間の各駅になると思う。そうなると、特急料金は320円、運河から先は乗車券のみで利用可になるだろうと推察する。

 もうひとつ気になる点は、柏を何時に発車するかだ。2019年版の『東武時刻表』をめくってみると、柏1番線は19時36分発の上り各駅停車大宮行き発車後、下り各駅停車柏行き22時47分着まで、3時間11分にわたり列車が入ってこない。おそらく、19時40分から22時40分までの間に、特急「アーバンパークライナー」春日部方面行きが設定されるものと考えられる。

 現行の特急「アーバンパークライナー」は、1号大宮行きが浅草20時30分発、3号大宮・野田市行きが浅草21時30分発なので、2020年3月のダイヤ改正では、浅草~春日部間の特急「スカイツリーライナー」ともども、ダイヤの見直しが考えられる。

■課題は残る単線区間と急行の運転本数

 野田線は複線化が進んだとはいえ、春日部~運河間は単線のまま。これが大きなネックになりそうだ。特に清水公園~梅郷間の高架化完成後も単線なのは解せないが、高架化により踏切が除去されるので、春日部~運河間も急行運転に踏み切る可能性はある。

 また、急行の運転本数も日中の伊勢崎線押上~東武動物公園間の10分間隔、東上線和光市~川越市間(急行と快速)の1時間あたり6本運転(等間隔ではない)に比べると物足りない。

 東急電鉄を例に挙げると、東横線は特急の運転開始により、急行とともに速達性の向上を図ったこと、田園都市線の急行も30分間隔から15分間隔に詰めたことなどにより、日中の各駅停車は始発から終点まで“先行逃げ切り”の列車がなくなった。

 野田線はダイヤ改正後も引き続き、日中の各駅停車に“先行逃げ切り”の列車が存在する。急行に乗って急ぐには、『東武時刻表』の最新号を買って、ダイヤを把握する必要がありそうだ。(文/岸田法眼)

○岸田法眼(きしだ・ほうがん)/フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)『論座』(朝日新聞社刊)『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。旅や鉄道などを中心に著作を続ける。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)。大の好角家。

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