野田線の急行運転拡大の背景には、運河~船橋間の地上設備改良もさることながら、運河のホームは2面3線であること、逆井~六実間3.9キロの複線化と高柳駅の改築工事が完成することがある。
先に急行運転を開始した大宮~春日部間は、東岩槻~春日部間の複線化に併せて、春日部に引上線を設けたことが大きい。これにより、大宮~春日部間は各駅停車の運転本数を削減することなく、利便性を向上させた。
一方、春日部と同様に複線と単線の境界となる運河には、ラッシュ時に運河~柏間の各駅停車が設定されている。ダイヤ改正後は日中にも設定され、急行との接続を図りつつ、各駅停車の運転本数を維持できるものと考えられる。
なお、運河発着の列車は2番線に入線するので、下り柏方面行きは同一ホーム乗り換えなのに対し、上り大宮行きは階段経由の乗り換えとなる。次に逆井~六実間の複線化により、列車行き違いによる制約が解消され、停車時間短縮などスピードアップが図れるほか、列車の増発も可能になる。
キーポイントになる駅は高柳で、橋上駅舎に改築されたほか、1面2線から2面4線に拡大される。急行停車駅に選定されたことで、ダイヤ改正後、急行と各駅停車の接続駅となるのは、確実と言ってよい。さらに柏寄りには高柳電留線を構えている。
現在、ラッシュ時などに高柳・六実~船橋間に各駅停車が設定されているが、上下線とも「高柳行き」は存在せず、一部列車は六実~高柳電留線間を回送運転する。ダイヤ改正後は、営業運転区間の変更も考えられる。
急行の柏~船橋間に関しては、6~22時台まで30分間隔で運転され、約20分で結ばれる。できることなら、新鎌ケ谷で京成電鉄成田空港線のアクセス特急成田空港行きに接続(乗り換え時間10~15分を想定)するダイヤになると、利便性がさらに向上する。
野田線のもうひとつの目玉は、特急「アーバンパークライナー」の柏始発春日部方面行きの設定だ。