大宮発の列車も船橋発の列車も行き止まりになる、スイッチバック構造の柏駅。写真は主力の60000系(C)朝日新聞社
大宮発の列車も船橋発の列車も行き止まりになる、スイッチバック構造の柏駅。写真は主力の60000系(C)朝日新聞社
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ダイヤ改正のキーポイントになると思われる高柳駅。立体交差化され、橋上駅舎になった。(C)朝日新聞社
ダイヤ改正のキーポイントになると思われる高柳駅。立体交差化され、橋上駅舎になった。(C)朝日新聞社

高柳駅の構内は2面4線に拡大され、ダイヤ改正後は急行と各駅停車の接続駅となるだろう(撮影/岸田法眼)
高柳駅の構内は2面4線に拡大され、ダイヤ改正後は急行と各駅停車の接続駅となるだろう(撮影/岸田法眼)

浅草から下り、春日部駅で編成を分割する特急「アーバンパークライナー」。右は大宮へ、左は野田市へ向かう(C)朝日新聞社
浅草から下り、春日部駅で編成を分割する特急「アーバンパークライナー」。右は大宮へ、左は野田市へ向かう(C)朝日新聞社

 東武鉄道株式会社(本社:東京都墨田区/以下、東武)は2020年3月に野田線で“白紙ダイヤ改正”を行う。目玉は、急行運転区間が拡大されること、そして特急「アーバンパークライナー」の柏始発春日部方面行きが新設されることだ。その利便性について占ってみよう。

【ダイヤ改正のキーポイントとなる高柳駅】

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■急行運転区間がほぼ全線に拡大

 野田線(路線愛称:東武アーバンパークライン)は大宮~船橋間62.7キロを結ぶ路線であるが、柏がスイッチバック構造の駅のため、大半の列車は大宮~柏間、柏~船橋間に分かれている。

 急行は2016年3月26日のダイヤ改正で、平日の日中と土休日の8~20時台に運転を開始。大宮~柏・船橋間に30分間隔で設定され、春日部以遠は各駅に停車する。急行運転区間は地上設備を改良し、なおかつ複線の大宮~春日部間のみで、最速14分。各駅停車に比べ約6分短縮された。

 ただ、急行通過駅からの利便性はいまひとつの感がある。急行運転時間帯、同区間の各駅停車は等間隔でなくなったほか、急行停車駅の岩槻で急行に乗り換えられないのだ。ここで接続するダイヤにすれば、春日部、大宮までの所要時間も短縮できるが、ホームは2面3線のため、上り大宮行きは同一ホームで乗り換えられない。東武はそこを重視したのか、あるいは春日部での接続時間をできるだけ短くするためなのか、平行ダイヤを組んだものと考えられる。

 2020年3月から急行運転区間は運河~船橋間にも拡大されるほか、ラッシュ時にも設定される。ダイヤ改正後、大宮~船橋間の急行停車駅は、岩槻、春日部~運河間の各駅、流山おおたかの森、柏、高柳、新鎌ケ谷で、日中の所要時間は現行の最速92分(表定速度40.9キロ)から76分(表定速度49.5キロ)に短縮される。

 なお、ダイヤ改正後、現行の急行は大宮~柏間の「区間急行」に変わり、平日の朝・夕、土休日の朝・夕夜間において、運河~柏間各駅に停車する列車の頻度を確保する。

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高柳での緩急接続に期待