■日本ハム:60点

1位 河野竜生(JFE西日本・投手)
2位 立野和明(東海理化・投手)
3位 上野響平(京都国際・内野手)
4位 鈴木健矢(JX-ENEOS・投手)
5位 望月大希(創価大・投手)
6位 梅林優貴(広島文化学園大・捕手)
7位 片岡奨人(東日本国際大・外野手)
育成1位 宮田輝星(福岡大・外野手)
育成2位 樋口龍之介(BCL新潟・内野手)
育成3位 長谷川凌汰(BCL新潟・投手)

 早くから公言していた佐々木を外して即戦力候補の河野を外れ1位で指名。2位以下も社会人、大学生の投手が中心となった。弱点であるリリーフ陣を補おうという意図は分かるが、全体的に今までの日本ハムらしくない指名というのが第一印象。スケールの大きさよりも、目先の戦力アップに舵を切っているように見える。過去数年で清宮幸太郎、野村佑希など大型の高校生野手を指名しているのでそこまで致命的ではないかもしれないが、将来太い柱になれそうな投手や、西川遥輝の後釜候補の外野手などにもう少し目を向けても良かったのではないだろうか。

■楽天:55点

1位 小深田大翔(大阪ガス・内野手)
2位 黒川史陽(智弁和歌山・内野手)
3位 津留崎大成(慶応大・投手)
4位 武藤敦貴(都城東・外野手)
5位 福森耀真(九州産業大・投手)
6位 瀧中瞭太(Honda鈴鹿・投手)
7位 水上桂(明石商・捕手)
育成1位 江川侑斗(大分・捕手)
育成2位 小峯新陸(鹿児島城西・投手)
育成3位 山崎真彰(ハワイ大・内野手)
育成4位 澤野聖悠(誉・内野手)

 佐々木を外した1位では社会人野手の小深田を指名。2位でも高校生野手の黒川を指名した。バントなどの細かい野球に課題があるということで監督を交代し、1位にはスピードと小技が武器の選手を指名する。筋は通っているが、チーム事情を考えると大いに疑問は残った。浅村栄斗の後継者は必要だが小深田は全くタイプが違い、同じくらいの年齢には茂木栄五郎も山崎剛も渡辺佳明もいる。それでも1位で小深田を指名する必要性は本当にあったのだろうか。3位以下の投手も全員がリリーフタイプ。過去に1位指名した投手が育っておらず、岸孝之と則本昂大の二人の力にも陰りが見えてきている。それを考えるとローテーション候補になるスケールの大きい投手の方が優先度は高かったはずである。それらの点から12球団でも最低の評価となった。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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