「走塁、スピードに関してはまったく問題ない。盗塁に関してもメジャー、とくに中南米系の独特な投球フォームに慣れれば、現在と変わらない数はできるはずです。守備は二遊間の打球に対して不安がありますが、近年のメジャーではデータによって極端な守備シフトを敷く。あらかじめ各自の守備範囲を狭めて対応しているから、現状の力でも十分やっていけると思います」

 最大のウリであるはずのバッディングの方はどうなのか。評論家筋を中心に、足を上げて勢いで打つ日本式のスタイルには不安の声もあるが……。

「やはり、今のままでは苦労するでしょう。言われている通り、投球フォームのリズムが日本と向こうでは異なります。大谷翔平やイチローも対応するために、すり足に近い形でタイミングを取るようにしましたよね。足を上げるスタイルだと遅れて差し込まれてしまう。また、反応が遅くなるので、手元で動く球への対応も厳しくなる。メジャーに合わせてアジャストできなければ、NPB時代のような成績は残せないのではないかと思います」

 メジャーの在日スカウトというのは、その選手が渡米した際の予測成績もリポートとして球団に提出する。それでは19年現在、山田がメジャー挑戦した場合、どう報告するのかシミュレーションしてみた。

「打率は2割7分前後で、本塁打は15~20本くらい。NPBでは常に3割30本塁打を打ってきたが、やはり数字は下がるはずです。ただ、その分は四球を選ぶことで出塁率を上げればいい。守備と走塁に関してはそこまで苦労しないと思うので、ストライクゾーンへの対応がカギになるはず。年齢的にも30歳手前でアスリートとして脂の乗っている時期なので、メジャー挑戦して欲しいというのが個人的な思いではありますが……」

 これまでのようにトリプルスリーは望めないだろうが、メジャーサイドが求めているものも、日本とは異なるはずだ。どういう形であれ、チームに欠かせない選手になればいい。05年にホワイトソックスで世界一になった井口資仁(現・千葉ロッテ監督)のような役割が最適ではないだろうか。

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう