確かに、日本のこれまでの3戦を振り返っても、試合登録メンバー23人全員がピッチに立っている。キャプテンのリーチ・マイケルが、アイルランド戦でリザーブ(控え)だったことは記憶に新しい。

 ところが今回、スコットランドはレイドローを先発に当ててきた。しかもレイドローは10月9日に行われたロシア戦には出場せず、力を温存。日本戦に全力で当たってくる証左だ。

大畑:日本がゲームを支配し、リードすることができるかどうかがカギになりますね。

 一方、大畑さんが最も注目する、日本代表チームにエナジーをもたらす選手とは?

大畑:福岡堅樹選手です。あれほど決定力のある選手はなかなかいない。世界でも十分に通用する選手です。ウィングですから、アタックは当然注目されますが、ディフェンス面も素晴らしい。どんな試合でも、福岡選手が活躍できるかどうかが日本の勝利を握るのは間違いないでしょう。

 大畑さんの指摘通り、福岡選手は、負傷明けのアイルランド戦で後半9分から出場して見事なトライを決め、勝利を決定づけた。また、サモア戦でも後半から出場、絶妙なポジションでパスを受け取って日本の3トライ目を決めた。痛めた脚の影響は感じられず、スコットランド戦では満を持して、先発メンバーとして11番を背負って出場する。

大畑:2015年のW杯では、予選で3勝1敗だったにもかかわらず、決勝トーナメントに上がれませんでした。理由はトライの数が少なかったからです。今回、ジェイミーヘッドコーチがやろうとしているのは、トライを取るラグビーなんです。福岡は得点源になる重要なプレーヤー。当然、相手チームは対策を立ててくるでしょうが、福岡がその予測を超えるプレーをできれば、相手チームに大きなダメージを与え、味方にとっては大きなエナジーになる。だからこそ僕は福岡には注目しているし、活躍してほしいと思います。

 3勝しても決勝トーナメントに上がれない厳しい状況は、今大会も同じ。日本は、スコットランド戦に勝利するか、引き分けに持ち込まねばならない。

 だが、前回と違うのは、福岡選手、そして松島幸太朗選手という頼りになる両ウイングがいることに加え、サモア戦の姫野和樹選手のトライに象徴されるような、チーム全員でトライを取りに行く姿勢だ。宿敵とも言えるスコットランドを相手に、4年前の雪辱を果たしてくれるに違いない。

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スコットランド戦の試合登録メンバーは?