MLB史に残る名捕手イバン・ロドリゲス。ホークスOBの城島健司氏も憧れていた、走攻守すべて揃ったスーパー捕手(MLB通算127盗塁も記録)。身長175cm、体重93kgのずんぐりむっくりの体格から『パッジ』と呼ばれた。身長170cmの甲斐が目指す捕手像は、まさに『パッジ』ではないか。

 捕手の育成には時間も経験も必要となる。毎年のようにアマチュアから『逸材』と言われる捕手がプロ入りするが、独り立ちは困難を極めている。球史に残る名捕手はなかなか現れないが、甲斐はその仲間入りができる可能性を秘めている。

『甲斐キャノン』ではとどまらず、すべてを備えた完璧な捕手へ。甲斐拓也のプロ野球人生、次章はすでに始まっている。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。