しかし、これが日本代表の現在地。48位というランク通りの結果となったが、世界で戦うには何が不足していて何を修正しなければいけないかを認識できたことは、ある意味、一つの成果だ。
何しろ日本がW杯に出場したのは、日本で行われた2006年大会以来13年ぶり。2014年11月には国際試合の資格停止処分を受け国際試合に出場できなかったことを考えれば、そのあとのBリーグ発足と市場拡大、そして資格停止処分解除、五輪出場決定は奇跡的なこと。今回、世界との差を知れたことは、来年の東京五輪に向けて欠かせない「確認作業」となっただろう。
その上で、今大会で露呈した明確な課題として挙げたいのが3Pシュートとバックコートの強化だ。そして、大多数の選手がBリーグでプレーしていることから、そのためにはリーグで主流となっているプレースタイルを考え直す必要がある。
強豪はどの国も、コートにいる誰もが3Pシュートを多投し高確率で決めてくる。もちろん、シュートに行くまでのパス回しやオフェンスの組み立ても素晴らしいが、多くの場面でフリーを作り出しており、これも3Pシュートの多さと高い成功率の要因となっている。
5戦だけで比較してもロングシュートにおける日本のスタッツは、他国と大きな差がある。フリオ・ラマス監督のインサイド重視の戦術もあるだろうが、そもそも日本は3Pシュートを多投していない。この5試合合計で放った3Pシュートは94本。一方、対戦相手の合計は153本だ。これが成功率になると、対戦相手は60本の成功で39.2%している一方、日本は27本の成功で28.7%。モンテネグロ戦は16本全てを外した。
高さで劣るチームは、外からの攻撃やスピードでオフェンスを打開することが通常だろうが、ここまでロングシュートが入らないと、相手ディフェンスもインサイドに意識が行き、その分、日本のインサイドは負担がかかる。今や世界は、攻撃オプションの主流は3Pシュートだ。世界で勝つには3Pシュートまで持ち込むオフェンスをクリエイトすることと、そのシュートを決める決定力を磨く必要があるだろう。