うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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私は常々、子どもにとってゲームが悪者にされることに対して、疑問を抱いています。
子どもが生まれてから5日目にして、産婦人科のスタッフの方に「ゲームは絶対にさせちゃダメよ。脳細胞が死んでいくらしいから」と、根拠もなく言われたことがありました。また、テレビで「子どもと一緒にいるならゲームさせてないで遊んでやるべき」と怒っているタレントさんもいました。
■時間を無駄にするから、ゲームはさせちゃダメ?
ゲームのデメリットは依存性がある、つまりハマってしまうとやりすぎてしまい、時間を無駄に使ってしまう点にあるかと思います。ただ、そこをうまくコントロールできるなら、なんら問題はないと思います。子どもは年がら年じゅう勉強しなきゃいけないわけでもないし、楽しむための時間は必要です。ブロックを組み立てて遊ぶのも、テトリスで穴を埋めていくのも、立体か平面かという差はありますが、空間把握能力が鍛えられ、同様に健全な遊びではないか?と思っています。
うちの息子は、もう5歳になりました。そして、ある日突然、なぜか言い出したのです。「僕はオセロをやりたい! お願いだからオセロを買ってほしい!」と(本当に突然でした)。
5歳児にとって、オセロのルールや仕組みを理解し、どこに石を置けるかを見極め、適切な場所を選ぶのは、なかなか難しいことです。石ではさんだ場所を全て見逃さずにひっくり返すことだって、できるかわかりません。
そして息子は、勝負ごとにいちいち真剣です。たとえば、すごろくに1回負けるだけでも泣いて悔しがり、「もう1回!」と言いだします。その「悔しい」という思いが、もっと頑張ろうという気持ちになり物事を上達させるので、そこは良いことだと思うのですが……すごろくは完全に運です。