負ける度に号泣する息子が、しばらくしてから発したセリフは、「ママはサイコロをふるとき全部1にして。僕は6にして置くから」でした。こっそりズルをするどころか正々堂々とズルをして、しかも私に負けろというわけです。
そんな息子なので、頭脳戦であるオセロを買ったとしたら、何度も号泣して「ここに置いて!」と言いだしたり、勝手に違う場所の石まで色を変えだしたりするに違いありません。そのうえオセロは、石がたくさんあるので、絶対なくすに決まっています。
そこで私は、「そうだ、ゲームでオセロをやればいいじゃん」と思いついたのです。対戦相手がコンピューターならズルができません。また親切なことに、「あなたは今ここに置けるよ」と盤上の色を変えて教えてくれるので、初心者にもわかりやすいです。対戦相手がコンピューターなので、私が息子の味方側について、「こういうときは、ここに置くのが良い」と、指導だってしやすくなります。
そんなわけで、私がもっていたニンテンドーDSを渡し、さまざまなボードゲームが入っている「だれでもアソビ大全」というソフトを購入しました(かなり古いものです)。結論からいうと……買って大正解でした!
案の定、息子はオセロの仕組みがわかっておらず、「黒い石を白い石ではさむと、その間の黒を全部白にできる」という基本さえ危ういレベルでした。コンピューターは、石を置くとはさんだ石を自動的に全て裏返してくれるので、「オセロはこういうゲームだ」という説明もしやすかったです。
■「ママがやっつけて!」と頼りにされることも
人による手作業ではないことで、ひっくり返す石の手間や間違いもなく、ズルができないのもポイントです。やはり負けると号泣するのですが、相手がコンピューターなのでひきょうなことは一切できません。
「ママがやっつけて!」と頼んでくることもよくあるので、そういうときは、「こうすると勝ちやすいでしょ?」とアドバイスした後に、「じゃあどっちを選べばいいかな?」と一緒に考えさせることができます。
いつの間にか、息子はそのソフト「だれでもアソビ大全」の中にある別のゲーム、7ならべに興味をもちだしました。