都内の大学4年生、北野未緒さん。
都内の大学4年生、北野未緒さん。
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試合について購入客と話すのも、この仕事の醍醐味だ。
試合について購入客と話すのも、この仕事の醍醐味だ。

 華やかなプロ野球の世界、選手たちがグラウンドで熱い戦いを繰り広げる陰には、それを支える多くの裏方たちがいる。その存在自体は誰もが知っているが、その実態を詳細に知っている人は少ない。そんな裏方たちの日常を紹介する「プロ野球の裏方たち」。今回はスタンドのアイドル「ビアガール」を紹介する。

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「今日はどちらからいらっしゃったんですか?」

 西武ライオンズの本拠地「メットライフドーム」(埼玉県所沢市)でビールの売り子を務める北野未緒さん(21)は、常に屈託のない笑顔で客にビールを注ぐ。観客との雑談は、この仕事の楽しみの一つだ。

「常にスタンド側を向いて動いているのでほとんど試合は見ていませんが、お客さんの反応でどっちが勝っているのか、ピンチなのかチャンスなのか大まかな流れは分かります。ビールを注ぎながら試合についてお客さんと話すのがこの仕事の醍醐味ですね」

 北野さんは都内の大学に通う4年生。埼玉県内の実家から電車で1時間かけて球場まで来ている。小学生のころからプロ野球好きの両親・兄に連れられ、東京ドームや神宮球場などを何度も訪れた。北野さん自身は特定の球団のファンではなかったが、名前も知らないファンらとハイタッチをして喜び合う球場の雰囲気が好きだった。いつしか「球場で働いてみたい」と漠然と思うようになった。

 高校卒業時、ネットの求人サイトで売り子のアルバイトを見つけ、すぐに応募した。書類審査と面接を経て、アルバイト採用された。当初は学業の合間を縫ってのシフトだったが、現在は卒業単位をほとんど取得しているため、平日の試合はほとんどシフトを入れている。

 売り子は高校1年生から20代前半の学生が中心だ。男性の売り子もいるものの、大半を女性が占めている。ビアガールと言えば、販売するビールの銘柄ごとに可愛いユニホームを着ているイメージが強い。

「私はキリンのハイネケンを担当していて、緑をベースにしたスタイルです。他のものに比べてスカートの丈が長いんですが、お客さんからは『清楚な感じでかわいい』と言っていただけて、私もお気に入りなんです」

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