この記事の写真をすべて見る
覚せい剤で3度逮捕され、2度の服役経験がある田代まさしさんがNHK・Eテレの番組「バリバラ」に登場した。逮捕のたびに「(薬物を止めようと)毎回思う」としながらも、服役中は「クスリやりてえ!」と思っていた、「(売人らと)ただ悪のコネクションが広がっただけ」などと赤裸々に明かし、「『使えない』じゃなくて『使わない』にならないとダメ」などと語った。
わかりやすい言葉で、ときに笑いを交えながら真剣に話す様子に、お笑い芸人のカンニング竹山さんは「薬物報道の転機になったのでは」と見る。「芸能界で覚せい剤をやった人はみんなテレビに出すべき」と持論を展開する理由とは?
* * *
番組を見ましたが、田代さんがNHKに出たというのは、局としても番組としても正しい判断だったんじゃないかと思いました。
前から言われていることだけど、そろそろ日本も薬物問題の報道の仕方とか、社会の認識を変えなきゃいけないと思うんですよね。芸能人が逮捕されると最初はワーワー騒いで、叩いて、警察署から保釈されるときに謝罪する映像とか裁判の様子をワイドショーが流す。そして、初犯なら執行猶予3年とか逮捕が2回目とかだったら懲役何年って決まるところで、報道が終わっていたんですよね。やった人は悪い人、ドロップアウトした人のままで、芸能界を追放されるか過去を隠して続けていくかしかなかったわけです。それは一般の人も同じで、「薬をやる=人生終わり」っていうことが何十年も続いてきたわけです。
「覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?」って1980年代の広告で言われたことだけど、その人を排除して、社会から抹殺するっていうバカな古い考え方がいまだにまかり通っている。もちろん違法行為だから、大麻も含めて手を出したことは裁きを受けて当然だし、罪をつぐなうんだけど、2回、3回と繰り返す依存症の人たちをどうやって立て直すかをこれからは考えないといけない。病気だから刑務所にぶち込んでも治らないし、社会復帰させていかないとまたやるだけだと思うんです。