薬物だけじゃなくて他にも依存症っていっぱいあって、ギャンブルも酒も本人の意志だけじゃ止められない病気で、それを本人が自覚するまでは抜け出せないもの。僕がそういうことを学んだのも「バリバラ」に出させてもらたり、田代さんがいま活動している薬物依存症のリハビリ施設「日本ダルク」を取材したりしたからなんです。

「バリバラ」はもともと障害者に対しての考え方を変えるという意味で扉を開いた番組だし、僕だって衝撃を受けた1人ですが、今回、薬物についても田代さんと一緒に一つの転機を作ったのかもしれないなと思います。

 田代さんのように自らのことをさらけ出していく生き方って、実はものすごく辛いと思う。毎日、依存症と闘いながら、自分が一番隠したいこと、恥ずかしい部分を言わなきゃいけないんだから。でもそれが責任の一つでもあるのも確か。

 僕は、ずっと「芸能人でシャブとかドラッグをやったやつは、刑期が終わったら表に出てこい!」って言っているんです。なぜなら、人より伝えるのが上手い人たちだからです。依存症から抜け出したいと思うなら、その大変さを伝えることが芸能人としての責任だし、ペナルティーでもあると思う。二度とやらないっていうのが大変なんだよってことを、自らの人生をもって見せるべきだし、それをテレビも使うべきだと僕は思いますね。

 極端に言うと、元野球選手の清原和博さんだって野球界追放でチャンチャンにするんじゃなくて、早く社会復帰させて、野球界に戻すことが必要だと思う。薬物との闘いは一生続くだろうし、それでも生きていかなきゃいけないんだから。コーチでも監督でも何か役割を持って、やじられようと再チャレンジする姿を見せることこそ、子どもたちに良い影響を与えるんじゃないかと思う。

 海外だと過去をカミングアウトして、その後の闘いの大変さを伝える人は多いですよね。例えば、エリック・クラプトンやポール・マッカートニーもそう。彼らに「おい、シャブ中!」とか「まだマリファナ吸ってんのか!?」って誰も言わないでしょ。日本ではイメージだけで一生否定され続け、健全じゃない人、真面目にやっていない人って思われてしまう。

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