■子育て一段落しても就職できない… 戸惑う中高生のママたち

――なるほど、今回の「中高生のママ」問題もその一環なんですね。いつから戸惑いを感じていたんですか。

 娘が中学生になったとき、急に時間ができて「なんだこれ!?」って思ったんです。小学生のころよりも朝は早く出て行って、帰りも遅く帰ってくる。最初の1、2週間は「たくさん昼寝ができる!」って思っていたんだけど、それが続くとだんだん暇だなと……。

 それまでは週末や夏休みも、ディズニーランドとかコンサートに付き添っていたけど、今は友達と行動するようになって、私の出番は無くなってしまった。小学校まではPTAで忙しいこともあったけど、中学校に入ったらそれも急に何も無くて……。嬉しい反面、どうしたらいいのか戸惑いました。

 ママ向けの雑誌とか番組は子どもが赤ちゃんから幼稚園ぐらいまでの情報ばかりで、その後は急に介護や熟年離婚の話になる。ママになった人全員が体験することなのに、情報が全然無いなと思ったんです。

 私は仕事があるけど、周りの専業主婦のママたちはもっと戸惑っていました。働こうとしても、年齢を理由に面接にも進めなくて、なかなか就職できないそうなんです。だから自分で仕事を立ち上げるか、親の仕事を手伝うかパートしかない。パートもそんなに長い時間は入れてもらえないから、あんまりお金にならないらしいし。

 2013年に「ハローサーカス」(ハンドメイド作品の期間限定ショップ)を始めたのも、専業主婦の人たちの才能が作品として世に出て、誰かに買ってもらえたら自信が付くし、収入にもなったら良いなと思ったからです。

 男女の差を無くすための制度はいっぱいできているけど、日本の女性たちがどれだけ自分を犠牲にして、家事や子育てをしてきたかっていうのはまだまだ大きな問題だと思います。香港とかだと朝も夜も外食が多いみたいですし、アメリカだったらレディーファーストで、旦那さんが子どもの世話をしてくれるということもあるけど、日本ではずっと「女性が働くなら家事も両方やって当然」みたいな状態のまま。女の人が働くならパワーを200%にしなきゃいけなくて、それは全員がやれるわけじゃない。しかも子育てに専念していた人たちは、それが一段落しても就職は難しいわけです。

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