向こうでは平日はステップファーザー(継父)、土日は実のお父さんと過ごすのも普通で、お父さん同士が互いの家に送り迎えするんですよね。そこには新しい奥さんとかほかの兄弟もいるんだけど、みんなが納得している。そういう子がクラスの半分ぐらいいるんですって。お父さんの顔も知らないとか、忘れちゃったっていうのじゃなくて、「今日はどっちのパパ?」「今日はこっち」って普通に言えるのって、良いなと思いました。

 当時は、離婚後に一緒にディズニーランドに行ったりすると、すぐ「復縁か!?」ってニュースになったんだけど、全然そうじゃなくて。夫婦ではないけれど、娘の父と母としての役割はちゃんとやりたいと思っているんです。娘は離婚しても週1回は泊まりに行ってますよ。

 そういうことを初めて聞くとみんなギョッとすると思うけど、何回も言うと慣れてくるし、この10年ちょっとで芸能人でもそういう人は増えてきましたよね。それに、悩んでいる人が「あ、あの手があった!」とか思ってくれたらいいなと思います。別に離婚を進めているわけじゃないけど、苦しくてずっと我慢しているぐらいだったら、次のステージに進んで、シングルでも子どもに対してちゃんとママができるよって伝えたい。

――「円満離婚」という言葉も定着しましたよね。反響もあったんじゃないですか。

 離婚したのは子どもが幼稚園に入る前ごろだったんですが、小学校を卒業するころに、話したことがないママ2人に「あの方法があるんだって勇気づけられて離婚できた」って言われました。苦しい思いをしているよりは、女性にとっては良かったなと思う。だって人生は1回しかないんだから。

 娘を帝王切開で産んだことも、母乳が出なくてミルクで育てたことも、「はーい! 私はそうでした」って明るく声を大きくしようと思ってやってきました。日本では医学的な根拠が無いのに、信じられていることってまだまだあるから。

 少数派だとしても、新しい考えとか違うやり方があるんだよって見せることで、解決のヒントになればいいなと思っています。

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