今こそ本当のことを説明する番組をテレビでもラジオでもこれでもか、これでもかというぐらいやって、国民全体が制度のことを理解している状態にしなきゃいけないと思うんです。政治家に圧力かけられようと。そうしないと自分の首を締めるんだから。

 ちょっと話はそれますけど、これって放射線量の知識と構図が似ていると思うんですよ。我々は放射能のことなんか全然知らないんだけど、福島の人たちは生活に関わるから「◯マイクロシーベルト」って言われると多い、少ないと感覚的にわかる。それは日々生活のために学ぼうとしていて、情報もあるからです。

 この記事を読んだ人は、まず給与明細を見て、国会議員が言っていることもおかしいんだと知ってほしい。参院選で高齢者の票がほしいから「年金を減らす」って言わないんだと。でも、それはもともと決まっていることで放置されてきただけなんです。

 高齢者、年金受給者って言うと同じような人をイメージするけど、実際は金持ちもいるし貧乏な人もめちゃくちゃいるんです。どっちかというとその格差は現役世代よりも広がっています。夫婦で毎月50万円とかもらって、海外旅行に行ったり、昼間からゴルフやったりしている人たちの年金をちょっとだけ割引きさせてもらって、その分を貧困の高齢者に回すとか考えないといけない。現役世代の納付額を下げるために、厚生年金という方法を見直すとか、消費税から取るとか考えようはいろいろあるわけです。厚生年金が下がって消費税が上がれば、給料から18%という現状よりは下がっていくわけで、たくさん消費する金持ちが消費税として払う分は高くなるはず。

 僕も専門家じゃないけど、難しい問題だからいまこそみんなでしゃべろう!と言いたいんです。そうしないとまた何十年も騙されちゃうから。いま、チャンスだと思うんですよね。

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