■老化予防や長寿につながるというフラボノイド
もうひとつややこしいことを。フラボノイドという言葉を聞いたことがないだろうか? フラボノイドは植物由来の二次代謝物の総称だ。クマル酸CoAとマロニルCoAが重合したカルコンからできているのが特徴である。
フラボノイドはカルコン分子にすでにフェノールを含んでいる。だから、フラボノイドもポリフェノールの一種だ。フラボノイドにはカテキン、プロアントシアニジン(タンニンの一種)、アントシアニン、アントシアニジン、イソフラボンなどが含まれる。
いずれも抗酸化活性があるため、血管病の予防、がんの予防、老化の予防や長寿などにつながるのでは、といわれている(後述)。
フラボノイドの一種が色素であるアントシアニンだ。赤ワインを赤くしているのがこのアントシアニンである。ちなみに、アントシアニンも一つの物質を意味するのではなく、植物由来のアントシアンのうち、アントシアニジン由来の化合物の総称だそうだ。呼称にまつわる混乱はさらに深まるばかりだ。
ポリフェノール フラボノイド タンニン カテキン アントシアニン
という理解で良いだろうか。
ワインのタンニンは重合すると個体となり、これが集まると澱となって瓶の底にたまる。ワインを飲み始めたビギナーは、瓶に入った赤ワインを飲み干そうと一滴残らずグラスに入れがちだ(ぼくもやってました)。
しかし、澱が入るとワインの収斂味が強すぎてまずくなる。だから、少し残して、澱がグラスに入らないようにしたほうがよい。また、澱が溜まりやすい古い赤ワインは「パニエ」というバスケットに入れて、横にしたまま抜栓しサーブする。
フェノールにはヒドロキシ基(-OH)があると述べた。OHの先の水素ラジカルが乖離する。これが活性酸素と反応し、ラジカルは除去されるので抗酸化作用をもつ。
活性酸素とは反応性が高まった酸素分子のことだ。酸素分子が電子をもらってスーパーオキシドになり、これがヒドロキシラジカル、過酸化水素となる。