東京大学を象徴する本郷キャンパスの赤門 (c)朝日新聞社
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 東京大学の学生新聞「東京大学新聞」では、毎年春、新入生を対象にアンケート調査を行っており、このなかで支持政党について質問している(以下、支持政党のデータは「東京大学新聞」から引用。1958年、1962年については在校生対象)。

 2019年の結果は次のとおりだった。

 自民党21%(590人)、立憲民主党4%(114人)、共産党1%(32人)。

 最近2年では、次のようになっている。

 2017年 自民党36.0% 民進党3.4%
 2018年 自民党30.1% 立憲民主党9.5%

 2019年、自民党支持率が低下している。森友・加計学園問題が起こったり、自民党議員の問題発言が続いたりしたことで、自民党の株が大きく下がったのだろうか。

 東京大学新聞の過去の支持政党に関する調査をみると、1970年代以降、自民党が圧倒的に強い。東京大はもともと官僚養成大学だから、自民党政権のほうが経済は安定して自分の将来も安定するから、などの理由が考えられるが、本当のところはどうなのだろうか。

 一橋大教授の中北浩爾さん(政治学)に話を聞いた。

「新入生ですから、安定した政権下で景気が良くなれば就職に有利といった、短期的な損得勘定で自民党を支持するということはないと思います。また、新入生は社会にからめとられておらず、しがらみでも支持しないでしょう。それよりも世間の空気に影響されやすい、つまり、自民党への支持の空気が国民一般で高ければ、学生もそれを敏感に受け止めて支持しているとみていいでしょう。このことは東大生に限らず、学生全般に言えるのではないでしょうか」

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