個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は「年齢」について。
* * *
なりましたねぇ、50歳。ちょっとギリまで信じられませんでしたがねぇ、僕が50歳になるの。50歳になる瞬間、ヘルメットをかぶった宮尾すすむさんが看板持って出てきて、「テッテレ~、50歳、どっきりでした~」と言うんじゃないかと思ってましたねぇ。ごめんなさい思ってはいませんでしたが、そしてリポーターが宮尾すすむさんの時代を知ってる時点で、そりゃそれなりの年齢なんでしょうが、それにしても僕が50歳ねぇ。僕のことは僕以外はあまり分からないと思いますが、わりかし僕のことを分かってる妻、および僕は、とんでもないことだと感じております。精神年齢8歳の50歳児が世に誕生してしまったことを。
30歳になる時は、三十路と言われる年齢に自分がようやくなることができて、何だか嬉しく、大人の仲間入りをしたことに少し気分が高揚したように思います。40歳になる時は、惑ってばかりの不惑がいても、まあ、「お茶目かも」と、まだ気持ちに余裕があった気がします。
しかし50歳は、「お茶目」なんて言ってられない感じがします。「しっかりしなきゃ」と思います。特に誰からも頼まれてはいませんが、50という数字が「しっかりしなきゃ」と思わせます。まあ、世が世なら10代でも「しっかりしなきゃ」だった訳で、50でしっかりは、あまりに遅過ぎますが。
僕が小学生の頃は、20代の人は大人、30代はオジサン、40代はもう、あまり自分とは関係ない人、50代なんてものは、もう、別の星の住人って感じだったと思います。
今の小学生諸君の目には、僕みたいな50歳はどんな風に映るんでしょうか。僕が主宰として出演しているクイズ番組「99人の壁」にも、子供がたくさん出演してくれていますが、「あ、この子、俺より歳上だな」と感じる子供が何人もいます。あ、精神年齢の話ね。確実に僕より落ち着いてるお子さんがたくさんいるんです。