「きのう何食べた?」(テレビ東京系)が楽しみでならない。4月スタートドラマナンバーワン間違いなし、と思う。
良い原作(よしながふみの同名漫画)に良い役者(西島秀俊と内野聖陽)を得て、深いゲイカップルのドラマになった。「深い」って何ですか、という話なのだが、別な言葉にするなら「俯瞰した目で描いている」だろうか。
ゲイの恋愛ドラマと言えば、ちょうど1年前に放送された「おっさんずラブ」(2018年、テレビ朝日系)の成功がある。大人気になり、8月には映画が公開される。
「きのう何食べた?」は「おっさんずラブ」の成功を踏まえ、その先を描こうとしたのかな、と思う。「おっさんずラブ」を見ながら、ちょっとモヤモヤしていたところを、とても上手に描いているからだ。
「テレ東プラス」というテレ東の番組宣伝サイトを見たら、内野のインタビューが載っていた。それが私のモヤモヤを言葉にし、答えてくれていた。ああ、「おっさんずラブ」になかったこういうところを、「きのう何食べた?」は描こうとしているのだな、とわかった。
インタビューの見出しはこうだ。
内野聖陽“ベッドではどうなのかな?”という話を西島さんとよくします:きのう何食べた?
そこで内野は、よしながの原作には描かれてないが2人には男女と同じようにスキンシップがある、という話をしている。だから「2人はベッドではどうなのかな?とか、そういう話」を西島とよくしている、「あ、よくはしてないか、たまにね(笑)」と。そして、こう語った。
「人には見えない部分ですが、カーテンの裏側を想像させる演技が必要で、そこをシェアしておかないと外ににじみ出てこない。自然な時間というものは、スキンシップやいろんなコミュニケーションの中から生まれてくるものなので、そこは僕と西島さんが大事にしているところですね」
そう、「おっさんずラブ」を見ながら、モヤモヤしていたのはそこなのだ。「2人はベッドではどうなのかな?」がにじんでこない。だから「自然な時間」が流れている感じにならない。なんというか、ずっとお祭り騒ぎな感じ。