中学生の方々のために、もっと要約します。モテない男子は付き合えると浮かれますが、女子の世界はめっちゃ複雑。それがエビデンスから見えてくる現実です。

「彼氏(彼女)ができたら絶対に幸せになれる」と、信じたくなる気持ちは僕もよくわかります。でも、今の環境を一掃できる“魔法”は「彼氏(彼女)」にはありません。もしかしたら、そう言っている子たちもその現実を知っているのかもしれませんが……。

 多くの子どもたちが特殊な人間関係の圧力にさらされている今の学校の状況を変えていくのは、大人と社会の課題です。新年度を迎えた今、考えてみてほしいなと思います。

 学生のみなさん、期待も不安もあるかと思いますが、なるべく傷つかない学校生活を送れることを心より祈っています。(文/石井志昂)

【参考文献】「恋人の有無が中学生の意識に与える影響」「中学生における所属する部活動とほかの学校生活の関連性の検討」「神奈川県の中学生の生活・意識・行動に関するアンケート」『教育問題の「常識」を問い直す―いじめ・不登校から家族・学歴まで』

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石井志昂

石井志昂

石井志昂(いしい・しこう)/1982年、東京都町田市出身。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた

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